SNSで見かけるあの有名美容師は、日々のサロンワークでどんなアイテムを使っているのでしょうか。
サロンワークで愛用しているワゴンの中身を公開し、「こだわりのアイテム」を紹介してもらう特別企画「あの人のこだわり」。
今回は、PUNEL/SOL.代表の齋藤剛さんのワゴンのこだわりに迫ります。ブリーチカラーの文化をつくりあげた功労者の一人と言っても過言ではない、齋藤さんが欠かさず用意しているアイテムとは?
齋藤 剛さんってどんな人?
プロフィール – Profie –
PUNEL/SOL.代表 齋藤 剛
仙台の美容専門学校を卒業後、代官山や青山に店舗を構える「DaB」に入社。新卒から11年間の勤務を経て、独立を果たす。業界内外から「ブリーチの神様」と称されるほどの超高度なテクニックを持ち、その卓越した技術力で注目を集めている。一般誌や業界誌の撮影に携わるほか、セミナー講師としても活躍中。現在、渋谷・原宿エリアに「PUNEL渋谷」「PUNEL原宿」、さらに「SOL.JINGUMAE」「SOL.OMOTESANDO」「SOL名古屋店」など6店舗を展開。
東京から飛び出し、5年後には全国主要都市に出店へ!
編集部:齋藤さんの経歴とセールスポイントを教えてください。
齋藤:11年間DaBで経験を積んだ後、独立して自身のサロンを立ち上げました。現在、渋谷・原宿エリアを中心に「PUNEL渋谷」「PUNEL原宿」、そして「SOL.JINGUMAE」「SOL.OMOTESANDO」「SOL名古屋店」など、合計6店舗を展開し、表参道エリアには6店舗目を構えています。
オンラインサロンの運営や商品開発・販売、教育事業にも取り組んでおり、店舗運営、商品開発・販売、教育事業の三つを柱にしています。
編集部:これからのビジョンを聞かせてください。
齋藤:全国に店舗を展開したいと考えています。現在、名古屋に一店舗ありますが、そこが初めて主要都市から離れた地域に出店した店舗です。できれば北海道から九州まで、主要都市に直営店舗を展開したいと思っています。目標としては、5年以内に全国の主要都市、例えば札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などに店舗をつくりたいですね。
ブリーチカラーの技術者用に特化した「5DGブラシ」
編集部:続いて、齋藤さんのワゴンの中を見せてください!
齋藤:ワゴンの中身については、必ず置いているものは基本的にどの店舗でも同じです。例えば、ブリーチペーパーやラップなども置いていますが、僕だけが特別に置いているものは特にないんですよ。名古屋や他の店舗に行っても、基本的に必要なものはすべて揃っているので、自分専用という感覚ではなく、共有のワゴンを使う形になっています。
編集部:イチオシのアイテムを紹介するとしたらどれですか?
齋藤:5DGブラシです。これはブリーチの塗布時に使用する刷毛で、ロレアルさんと共同で開発したもので、こだわりが詰まっています。
ブラシの角度に工夫を施した点が特徴です。従来のブラシにはないデザインで、刷毛の先端が少し下がった形状になっています。これにより、ブリーチを塗る際に手首の負担を減らし、美容師さんの作業を楽にする設計です。
ちなみに、ブリーチ用のペーパーもメーカーさんと一緒に開発しました。前職の会社に在籍中、一緒に作らせてもらったもので、名前は「ペーパーテック」です。権利は私の前職の会社にありますが、今でも使用しています。
ペーパーの開発は、自分で企画書を作り、「こういうものがあれば良いのではないか」と会社に提案し、そこからメーカーさんと共同で製品化しました。通常のパーマ用ペーパーは水分の浸透が良い設計ですが、ブリーチカラーでは水分を含むと効果が薄れてしまいます。そこで、ブリーチ施術中に水分をはじく特別なペーパーをつくりました。他のメーカーはまだこの分野に参入していないので、非常に希少なアイテムです。
【5DGブラシをつかったお客さまのスタイル】
▲全体的にシルバー系のカラーをベースにしています。このスタイルではカットデザインも大胆にアレンジしています。サイドは長さを残すところ、切り込むところのメリハリをつけて、襟足部分は少し残しています。
▲こちらもシルバー系のカラーで、顔回りの髪を長めにすることで、個性的なデザインにしています。
▲こちらはホワイト系のカラーですね。明るめのトーンで、常に一定の需要があるスタイルです。前のスタイルよりも明るいトーンで、毛先を黒くしてアクセントを加えています。全体的にレイヤーが入っており、毛先のカラーにポイントを置いています。
理想のムラシャンを求めて自社開発したPURPLE SHAMPOO
編集部:シャンプーのオススメを教えてください。
齋藤:PURPLE SHAMPOOです。色味が非常に薄いパープルで、少しだけピンクが混じっています。一般のお客さまはシャンプーの仕方が人それぞれで、洗い方によって部分的に色が入りすぎたり、ダメージレベルによって色の入り方が変わったりすることがあります。
このシャンプーは、色ムラのリスクを最小限に抑えるために、色味は薄いピンクパープルに調整しています。従来の製品は紫が濃すぎることがあり、洗い方によって色が残留してしまう問題がありましたが、このシャンプーは色が薄いため悪影響が出にくいです。価格も税別で2,800円と手頃です!
編集部:オススメのスタイリング剤を教えてください。
齋藤:OLAPLEX NO.7オイルですね。軽くてサラサラとした質感が特徴で、髪にツヤを与えてくれます。OLAPLEX特有の成分である「ジマリン酸」が豊富に含まれており、特にブリーチによるダメージを抑えてくれる効果があります。柔らかさを保ちながらしっかりケアしてくれるのが魅力です。
就寝時のダメージを最小化するナイトキャップ
編集部:オススメのヘアツールはありますか。
齋藤: ケアツールのオススメは、ナイトキャップです。ヘアケアアイテムにはオイルやトリートメントなどがありますが、物理的なダメージを防ぐという点では、ナイトキャップが効果的。特に寝ている間のダメージは大きく、頭頂部や髪の重さがかかる部分に摩擦が起こりやすいからです。
物理的な保護としてシルク製のキャップが理想的だと思っています。内側は100%シルクで、髪と肌に直接触れる部分を優しく保護します。一方、外側の部分には耐久性を持たせるために他の素材を使うことで、長持ちする作りにしました。
編集部:サロンワーク中にお客さまにアイテムを紹介するときは、どんなことを意識していますか。
齋藤: 基本的には、お客さまの髪のお悩みを起点にして、必要に応じて提案しています。髪のケアが十分に行き届いていないと感じた場合は「これを使った方が絶対に良いですよ」と少し強めにアプローチすることも。とにかく、お客さまのお悩みに寄り添う提案をすることが大事です。
編集部:さすがブリーチカラーはもちろん、ケアまで万全のフォローアップ体制ですね! 斎藤さん、今日はありがとうございました!