「髪を切らない美容師」が届ける、本当の“キレイ”

人気美容師の知られざる魅力を発掘!
今回は、「髪を切らない美容師」として新しい美容師の形を実現した、木村賢司さんにお話を伺いました。

PROFILE
木村賢司(KENJI KIMURA) kim株式会社 代表取締役。15歳から新書を漁り、毛髪化学を独自に学ぶ。18歳になり川西北陵高等学校在学時からブログを書き始め、高津理容美容専門学校卒業。新卒で美髪に特化したヘアサロンと業務委託契約を結ぶ。22歳でブログに特化した美容師として独自にヘアケアメディアを立ち上げ、髪に悩む全ての人々を対象に記事を執筆。26歳時点で主力EC事業となる【髪との暮らし。】を立ち上げる。 

画面越しでも、心に触れる。ECという舞台に立った新しい美容師のかたち。

「美容師のゴールは、お客さんの髪をキレイにすること。」

そう語る木村さんは、“髪を切らない美容師”の道を選んだ。サロンワークを月1回に絞り、EC(ネットショップ)を主戦場としている。

自身が運営する「髪との暮らし。」では、ヘアアイロンやシャンプー、ヘアオイル、ヘアブラシなど自分が良いと思った選りすぐりのヘアケア商品を取り扱い、SNSなどを通してその魅力を発信。

「美容師きむさんの教えてヘアケア」と題して、動画コンテンツも拡充。
出典:左からYoutubeTikTok

変わったのは手段だけ。鏡越しのサロンから、画面越しのオンラインへ切り替え、数えきれない人々と向き合っている。

しかし根底にある「髪を通して人を救いたい」という想いは、美容師になってからずっと変わらない。

なぜECという道を選んだのか。

「美容師の仕事って、髪を切ることだけじゃないと思うんです。」

そう話す木村さんの原点は、美容師1年目の頃に感じたある確信だった。

新卒で入社した表参道の美容室Lilyは、10年プレイヤーレベルの技術がある先輩ばかりで、上手くなるまでに数年かかると実感せざるを得ない環境。年々美容室の数も増え、供給過多になっている現実に自分も加わる必要があるのか、と疑問に思ったという。

「美容師に求められているのは、施術とホームケアの知識。カットやカラーなどの技術的なこと以外でも、お客様を助けられることはいくらでもあるのではと思い、画面越しの1対∞の可能性に懸けてみることにしました。」

“もっと多くの人に、気づきを届けたい”。その想いが、木村さんをECへと突き動かした。

高校生の時に75%OFFで購入した、15年物のデニムジャケット。
アシスタント時代に付いたカラー剤が良い味を出している。

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