冷静に「美容師」を見ている。
こうした合理的で着実なアプローチができる背景には、美容師という職業に対する独特な距離感がある。
「美容師になろうと思ったのは、高校1年くらいの時。憧れからは入っていなくて、突然、『あ、美容師になろう』と思い、美容師業に対して強い想い入れはありませんでした。」
美容師への強い憧れや過度な執着がなかったことで、「美容師=サロンワーク」という固定概念に縛られず、冷静に「美容師とは何者か」という本質に向き合うことに繋がった。その結果が、いまの“髪を切らない美容師”というスタイルを作り上げたという。

友人らと共に路上ヘアセットをしていた。
画面越しでも“寄り添う”ことを忘れない。
「商品を売るために大切なことは、正直でいること。商品を売ることが目的になってしまったら、美容師じゃなくなってしまうと思うんです。」
木村さんが最も大切にしているのは、お客様の気持ち。
「髪に悩みがある人は、“自分の髪は変わらない”と、どこかで諦めている。でも、ちゃんと自分に合った商品を選べば髪は変わります。その可能性を信じてもらいたい。そのためには、押し売りじゃなくて、きちんと悩みに寄り添って、正直に届けること。どんなに売れても、そこだけは絶対にぶらさないようにしています。」
